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滝桜を見に来た観光客に、町を紹介するパンフレットを渡す中郷小学校の子どもたち=2025年4月9日午前10時18分、福島県三春町滝
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 福島県三春町の滝桜(ベニシダレザクラ)を訪れる観光客に、地元の小学生たちが9日、手作りのパンフレットを手渡した。

 町立中郷(なかさと)小学校が1982年から続けている「おもてなし」。滝桜は国の天然記念物であることや、町の名物に「三角油揚げ」があること、今月25日にはアウトドア用品メーカー「モンベル」の直営店が開店することなどを、子どもたちが手書きのパンフレットにまとめた。

 「来年もおこしください」などと鉛筆で書いた手紙や、満開の写真を入れた本のしおりを添えて、全校児童28人が観光客に手渡した。

 前日の8日午後5時に町は開花を宣言。この日朝から観光客が続々と訪れ、昼前には無料駐車場は満車近くになった。

 4年生の白岩結和(ゆわ)さんは「本当にもらってもらえるのかな」と心配だった。声をかけても反応が乏しく、台湾や中国から来た人だと分かったこともあった。

 6年生の木幡凜那(りんな)さんも「断られたのはいやだなあ」と思ったけれど、会話が弾み、「ありがとう」「サンキュー」と言われるうちに、どんどん楽しくなった。

 受け取った東京都町田市の小林喜美子さん(80)は福島県須賀川市出身だが、滝桜を見るのは初めて。「子どもたちは一生懸命、声をかけてくれた。うれしいプレゼントをもらえました」と話していた。

 子どもたちは配り終えた後、滝桜の周辺でゴミ拾いをした。6月には種を取り、苗を育てる予定だ。

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 町は9日から夜間のライトアップを始めた。葉桜になるまで毎日午後6~9時に点灯する。11~13日は交通渋滞が起きるとみており、町運動公園から出発する無料シャトルバスの利用を呼びかけている。

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